2011年10月15日土曜日

色イロイロ

デザインのT田です。
印刷機の進歩とデザインソフトの普及で、今印刷物はカラー(4色)印刷が当たり前のようになってきました。一般的なカラー印刷は、(シアン)(マゼンタ)(イエロー)(ブラック)の4色のインキを使って表現されています。

藍(シアン)紅(マゼンタ)黄(イエロー)の濃度を調整することにより、さまざまな色で印刷することができます。それぞれを100%の濃度で刷り合わせると理論上は黒になるはずですが、実際にはインキの発色の限界や印刷用紙のインキの盛り等の問題で純粋な黒にはなりません。それを補うために別に黒のインキを使用することで、フルカラーを表現しています。

昔は3色刷り(黒なし)の印刷物をしたことがありましたが、この黒のインクがないと何か、締まりのないものでした。印刷業界では一般にこの4つのインキを4原色とし、C・M・Y・Kと表しプロセスカラーと呼んでいます。アドビイラストレーターなどのソフトでは、このような印刷4原色の濃度をパーセンテージで自由にコントロールして印刷向けのデータをつくることができます。ところがです。自由にコントロールできるものですから、どんな色でも誰にでも、簡単にパレットから選んでペイントできるのです。ですから、今の印刷物を見ていると、紙面にいろんな色が溢れてかえっています。

色というものは、ある1つの色を見て綺麗だとかお洒落だとか思っていても、そこに他の色が入ってくると、一変におかしくなることがあります。この色の組み合わせ(例えば、背景と文字の色など)が制作上のポイントになります。「補色」と言って混ぜ合わせると無彩色になる一対の色で、例えば青紫などがあります。これを例えば先ほどの背景と文字の色に使うと、ハレーションを起こして見えずらくなります。また逆にと黒は膨張色と言って大きく見せるという効果のある色の組み合わせもあります。色は季節感や情感を感じさせることもできるますし、色の組み合わせは、私たちデザイナーの永遠のテーマでもあります。



もう一つ、この時代にはずせない色を初めとしたの大切なことがあります。より見やすく、より使いやすく!「ユニバーサルデザイン」です。今や世界一の長寿国となった日本では、加齢による視力などの能力低下で見えにくかったり、また色覚障がいの人は特定の色同士が判別しにくいなどのことから「カラーユニバーサルデザイン(CUD)」が近年注目されています。

書体や大きさ・色使いに、デザインの段階から配慮しようというもので、特に行政機関・各種団体、組合、企業はCUDへの取り組みをはじめています。
例えば低視力者や高齢者には、文字は大きくした大活字本があったり、黒地に白字の反転本(黒ベタ白ぬき文字)は通常の白地に黒文字より文字が小さくても見えやすいなど、コントラストをはっきりさせることもわかりやすい一例です。ユニバーサルデザイン(UDは、グラフィックだけでなく、インテリア・ファッション・フードなどあらゆるデザインと名のつくもので、欠かせないものとなってきました。

色というのは、印刷物をはじめ、ファッションでもイメージを伝える大切なことです。でもコレが絶対という答えもありません。コーポレートカラーや皆さんが各自お気に入りの色や組み合わせがあるはずです。それを大切にして、少しの冒険でもして頂くと新しい「色」のイメージが出来ると思います。お悩みの方、一度ご相談ください。

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